不動産を売却しようと考えたとき、多くの人がまず直面するのが「どの不動産会社に依頼すればいいのか?」という悩みです。中でも『専属専任媒介契約』という言葉を聞いても、その仕組みやメリット・デメリットがよく分からず、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、専属専任媒介契約の基礎知識、その特徴やメリット・デメリット、他の媒介契約との違いや契約時の注意点について解説します。これから不動産を売却したいと考えている方にとって、役立つ情報をわかりやすくまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
また、以下のセクションで千葉県で不動産売却に対応しているおすすめ会社を紹介しているので、ぜひご覧ください。
専属専任媒介契約とは?

専属専任媒介契約とは、不動産の売却を依頼する際に特定の1社の不動産会社のみに仲介を任せる契約のことです。この契約を結ぶと、他の不動産会社に重ねて依頼することはできず、自分自身で買主を見つけた場合でも、その不動産会社を通じて契約を行う必要があります。
しかし、販売活動の報告が義務付けられているほか、レインズへの登録も5営業日以内に行う決まりがあり、売却への安心感があります。手厚いサポートを受けながら、スムーズな売却を目指したい方に向いている契約形態です。
専属専任媒介契約の主な3つの特徴

専属専任媒介契約には、他の媒介契約と異なる明確な特徴があり、それによって売主が受けられるサービス内容や対応に違いが出てきます。ここでは、その特徴について具体的に確認していきましょう。
それぞれの特徴について、以下で詳しく解説します。
1社の不動産会社にのみ依頼できる
専属専任媒介契約では、売却活動を依頼できるのは1社の不動産会社のみに限られます。複数の会社へ重ねて依頼できる一般媒介契約とは異なり、他の業者に依頼することはできません。
また、売主自身が買主を見つけた場合でも、直接契約することは許されておらず、必ず媒介契約を結んだ会社を通す必要があります。この仕組みにより、不動産会社は売却成功時の報酬が確実なものとなるため、より積極的な営業活動や販売促進を行いやすくなります。不動産会社との信頼関係と専任性が売却成功のカギとなる特徴です。
レインズへの登録が義務付けられている(5営業日以内)
専属専任媒介契約を結んだ不動産会社は、契約締結から5営業日以内にレインズ(指定流通機構)への物件情報登録が義務付けられています。レインズは全国の不動産業者が情報を共有するシステムで、多くの業者に物件情報が公開されることで、買主を広く募ることが可能です。
この制度により、他の媒介契約よりもスピーディーかつ効率的な売却活動が期待できます。売主にとっては販売機会の最大化につながる重要なルールといえるでしょう。
週1回以上の販売活動報告義務がある
専属専任媒介契約では、不動産会社に週1回以上の販売活動報告が義務付けられています。報告内容には、問い合わせ状況や内見の有無、反応などが含まれ、売主は現在の販売状況を定期的に把握することができます。
これにより、売却戦略の見直しや価格の調整など、適切な判断がしやすくなります。報告義務が明確に定められているため、情報の透明性も確保され、安心して売却活動を任せられる環境が整っている点が特徴です。
専属専任媒介契約のメリット

不動産売却を検討するうえで、契約の種類によって得られるメリットは大きく異なります。専属専任媒介契約には、売主にとって心強いメリットがいくつかあります。
ここでは、専属専任媒介契約を選ぶことで得られる代表的なメリットについて確認していきましょう。
以下で詳しく解説します。
不動産会社の販売意欲が高まりやすい
専属専任媒介契約は1社限定で依頼する契約のため、その不動産会社が成約できれば確実に仲介手数料を得られる仕組みになっています。そのため、会社としても販売に対するモチベーションが高まりやすく、広告の出稿や内見対応などに積極的に取り組む傾向があります。
一般媒介契約のように他社と競合する必要がない分、1件ごとの売却活動に対して重点的な対応が可能です。売主にとっては、より集中した販売戦略と行動が期待できる契約形態といえます。
販売活動の状況を定期的に把握できる
専属専任媒介契約では、不動産会社に週1回以上の販売活動報告が義務付けられています。この報告には、物件への問い合わせ数、内見件数、購入希望者からの反応などが含まれます。売主はこれらの情報を通じて、販売状況をリアルタイムで把握することが可能です。
したがって、価格設定の見直しや販売方法の調整など、次のアクションに移りやすくなります。売却活動を『見える化』できるという点で、安心して進められることが大きなメリットです。
トラブルのリスクを軽減できる
専属専任媒介契約では、不動産会社が売却活動の窓口を一手に担うため、情報の管理や買主との連絡が一本化され、トラブルの防止につながります。たとえば、複数業者から異なる条件で物件が紹介されるといった混乱を防ぐことが可能です。
また、報告義務やレインズへの登録など法的なルールも整備されており、透明性の高い取引が行われやすくなっています。不動産取引に不慣れな方にとっても、安心して任せやすい契約形式といえるでしょう。
専属専任媒介契約のデメリット

専属専任媒介契約には多くのメリットがありますが、すべての売主にとって最適とは限りません。契約の性質上、一定の制約や注意すべき点が存在するため、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。ここでは、専属専任媒介契約の代表的なデメリットについて解説していきます。
こうしたデメリットは、契約後のトラブル回避や後悔しない選択に直結します。項目ごとに詳しく確認していきましょう。
自分で買主を見つけても直接契約できない
専属専任媒介契約では、売主自身が買主を見つけた場合でも、不動産会社を介して契約を行う義務があります。これは、売主が自力で買主を見つけた場合でも、仲介手数料が発生する可能性があることを意味します。一般媒介契約であれば、直接契約が可能なケースもありますが、専属専任では禁止されているため注意が必要です。
したがって、不動産会社にとって販売活動への安心材料となる一方で、売主にとっては柔軟な対応が難しくなる制約となる点がデメリットといえるでしょう。
不動産会社選びに失敗すると売却が進みにくい
専属専任媒介契約は1社限定の契約であるため、依頼した不動産会社の実力や対応力が売却の成否に大きく影響します。たとえば、販売力が弱い、レスポンスが遅い、情報提供が不十分などの場合、売却が長期化する恐れがあります。契約期間中は他社に依頼することができないため、最初の会社選びが非常に重要です。
信頼できる会社かどうか、過去の実績や担当者の説明力などを事前にしっかり確認することが、失敗を避けるポイントになります。
他社との比較・競争ができない
専属専任媒介契約では、複数の不動産会社に同時依頼することができないため、他社とのサービスや販売手法を比較する機会が制限されます。そのため、競争原理が働きにくく、条件や提案内容が一方的になってしまうことがあります。
特に、不動産業界に不慣れな売主にとっては、複数社から意見を聞けないことが不安材料となるケースもあります。多角的な視点から判断する余地が少ない点は、注意すべきデメリットのひとつです。
専属専任媒介契約と他の媒介契約との違いは?

不動産の売却を進める際には、『どの媒介契約を結ぶか』によって、売却活動の進め方や制約が大きく異なります。専属専任媒介契約以外にも、専任媒介契約や一般媒介契約という選択肢があり、それぞれに特徴とルールがあります。
以下の表に、主な違いを分かりやすくまとめたのでご覧ください。
媒介契約の比較表
項目 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
---|---|---|---|
複数社への依頼 | × | × | ○ |
自己発見取引(自分で買主を見つけた場合) | × | ○ | ○ |
レインズへの登録義務 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 登録義務なし(任意) |
業者からの報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | × |
売却活動の透明性 | 高い | やや高い | 低め |
競争性 | なし | なし | 高い |
専属専任媒介契約は、不動産会社が積極的に販売活動を行いやすい仕組みが整っている一方、売主には一定の制限があります。専任媒介契約はその中間に位置し、一般媒介契約は自由度が高い分、管理や情報共有が難しくなることもあります。自分の状況や希望に合わせて、最も適した契約を選ぶことが大切です。
専属専任媒介契約がおすすめなのはどんな人?

不動産売却における媒介契約の選び方は、売主のニーズや状況によって最適な形が異なります。専属専任媒介契約は、特定の条件に当てはまる人にとって大きなメリットをもたらす選択肢です。ここでは、どのような人にこの契約が向いているのかを整理してご紹介します。
それぞれのタイプに対して、専属専任媒介契約がどのように適しているかを詳しく解説します。
早く確実に売却したいと考えている人
専属専任媒介契約は、不動産会社にとって確実な成果報酬が見込める契約であるため、積極的な販売活動が期待できる契約形態です。したがって、売却までのスピードが比較的早くなる傾向があります。
広告への出稿やレインズへの早期登録、内見対応の迅速化などが行われやすく、購入希望者に早く物件を届ける体制が整っています。売却のタイミングを逃したくない方や、早急に資金化したいというニーズがある方には、スピード感と確実性の両面で大きなメリットを感じられる契約です。
売却活動をすべて任せて負担を減らしたい人
売却にかかる調整や手続き、問い合わせ対応などをすべて自分で管理するのは、大きな負担になることがあります。専属専任媒介契約では、不動産会社が販売活動を一括して担うため、売主が対応に追われることなく、安心して任せることができます。
週に1回以上の進捗報告義務もあるため、状況把握も可能です。時間に余裕がない方や、不動産の売却に慣れていない方にとっては、『お任せできる安心感』と『管理の簡素化』が得られることが魅力のひとつです。
初めて不動産を売却するので安心感を重視したい人
不動産の売却が初めてという方は、手続きや市場の流れがわからず、不安を感じることが多いです。専属専任媒介契約では、売却の窓口が1社に限定されるため、やりとりがシンプルで迷いが生まれにくくなります。
また、法律で定められた販売状況の報告義務や、レインズへの登録など、一定のルールが整備されているため、透明性のある取引が可能です。『わかりやすく進められること』と『相談しやすい環境』が、初めての売主にとって大きな安心材料となります。
専属専任媒介契約を結ぶ際の注意点

専属専任媒介契約は、信頼できる不動産会社に売却活動を一任する契約です。しかし、契約だからこそ、慎重に確認すべき点がいくつか存在します。安易に契約してしまうと、売却が思うように進まなかったり、トラブルにつながる可能性もあります。
ここでは、専属専任媒介契約を結ぶ際の注意点について解説します。
以下で詳しく解説します。
契約内容と期間は必ず書面で確認する
専属専任媒介契約は、法律に基づき必ず書面で交付されることが義務付けられています。書面には、契約期間・手数料・業務内容・報告頻度などが明記されており、売主にとって不利な条件が含まれていないかを事前に確認することが重要です。
契約期間は3ヶ月以内が上限とされており、途中解約の可否や更新の有無も確認しておくべき項目です。後から「知らなかった」とならないために、書面の内容を丁寧に読み、不明点は必ず事前に質問することが大切です。
実績・信頼性がある不動産会社を選ぶ
専属専任媒介契約は1社に絞る契約であるため、その会社が信頼に足る存在であるかが売却の成否を大きく左右します。信頼できる会社かどうかを判断するには、過去の売却実績や地元での評判、担当者の説明の丁寧さなどを確認することが有効です。
契約前の段階から積極的に情報提供を行い、対応が迅速で誠実な会社は、売主の利益を優先して動いてくれる可能性が高いといえます。安心して任せられるパートナーかどうかを、契約前に見極めておくことが非常に重要です。
信頼できる不動産会社の選び方

不動産売却の成功には、契約内容と同じくらい『誰に依頼するか』が大きな意味を持ちます。特に専属専任媒介契約では、1社との付き合いになるため、会社選びに失敗すると売却全体に影響します。
ここでは、信頼できる不動産会社を見極めるための具体的なポイントを紹介します。
売却活動を安心して任せるために、以下の点を意識して選びましょう。
売却実績が豊富で説明が具体的な会社を選ぶ
不動産会社を選ぶ際は、売却実績の多さに加えて、その実績をどのように説明してくれるかが大切な判断基準となります。たとえば、過去に取り扱った物件の種類やエリア、売却までの期間、成約価格などを具体的に示してくれる会社は、透明性が高く信頼性があります。
また、地域特性や市場動向についての説明があるかもポイントです。経験に基づいた根拠ある提案ができる会社は、売主にとって頼れる存在となるでしょう。
契約前でも誠実に対応してくれるかを見極める
媒介契約を結ぶ前の対応こそ、その会社の姿勢がよく表れます。問い合わせへの返答が丁寧か、内見の対応方針を明確に伝えてくれるかなど、初期段階から誠実な姿勢が感じられるかをしっかり確認しましょう。
また、メリットだけでなくデメリットやリスクについても正直に説明してくれる担当者は、売主の立場に立って考えている証拠です。誠実な対応が契約前から見られる会社であれば、売却後のトラブルも起こりにくく、安心して任せることができます。
千葉県でおすすめの不動産会社3選

不動産の売却は、地域に根ざした専門知識と、信頼できる対応力を備えた会社に相談することが重要です。今回は、千葉県で特に実績と信頼を兼ね備えた不動産会社を3社ご紹介します。
それでは、それぞれの会社について詳しく見ていきましょう。
東海住宅株式会社

東海住宅株式会社は、千葉県をはじめ東北地方までを対象に不動産事業を展開している企業です。特に千葉県内では、八千代市・四街道市・佐倉市・成田市などに複数の拠点を持ち、地域密着型の営業スタイルを確立しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
社名 | 東海住宅株式会社 |
住所 | 〒276-0032 千葉県八千代市八千代台東1-2-11 |
設立 | 1971年(昭和46年)9月6日 |
資本金 | 9000万円 |
電話番号 | 0120-333-419 |
公式サイト | https://www.10kai.co.jp/file/tokaisale/area/chiba.php |
新築戸建てから中古住宅、土地やマンション、さらには事業用物件まで幅広く取り扱い、購入だけでなく売却にも強みがあります。売却においては、専門スタッフが税金や手続きの不安を丁寧に解消してくれる体制が整っており、安心して相談することが可能です。
お客様ひとりひとりに寄り添ったサポートが特徴で、地域で長く信頼されている理由がうかがえます。住まいの購入・売却を検討されている方は、『東海住宅』に相談してみてはいかがでしょうか。
実際に、不動産売却の依頼や東海住宅についてもっと知りたい方は公式HPを御覧ください。
また、以下の記事では東海住宅株式会社の評判に関してまとめています。詳しく知りたい方は記事も合わせてチェックしてみてください。
三井のリハウス 千葉センター
千葉県の不動産売買において、豊富な実績と全国的な知名度を持つのが『三井のリハウス 千葉センター』です。JR千葉駅から徒歩圏内に位置し、アクセスの良さと地域に精通したスタッフの存在が魅力です。
項目 | 詳細 |
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社名 | 三井不動産リアルティ株式会社 |
所在地 | 千葉県千葉市中央区富士見2丁目7-9 富士見ビル1F |
設立 | 1969年7月15日 |
資本金 | 20,000百万円 |
電話番号 | 03(6758)4060 |
公式サイト | https://www.mf-realty.jp/index.html |
マンションや戸建て、土地など一般的な物件に加えて、一棟マンションや商業ビルなどの収益物件にも対応可能な大規模店舗で、さまざまな売却ニーズに応えています。査定は無料で、まだ売却を迷っている段階からでも気軽に相談できる点が安心材料となるでしょう。
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また、以下の記事では、三井のリハウスの口コミや特徴をまとめているので参考にしてください
株式会社オカムラメイト
株式会社オカムラメイトは、東葉高速鉄道や総武線沿線に6つの拠点を持つ、地域密着型の不動産会社です。
項目 | 詳細 |
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社名 | 株式会社オカムラメイト |
所在地 | 千葉県八千代市大和田新田508-2 |
設立 | 平成16年5月28日 |
資本金 | 1000万円 |
電話番号 | 047-409-8323(業務本部) |
公式サイト | https://www.okamuramate.co.jp/corporate/index.html |
賃貸・売買・管理の各事業を展開しており、特に売却サポートでは、地元の相場や需要に即した適切なアドバイスを提供しています。『買取保証制度』などにも対応しており、急な買い替えやスピード重視の売却にも対応できるのが大きなメリットです。
地域に根差した対応力と、各支店のネットワークを活かした柔軟なサービス提供は、地元で長年支持されてきた理由といえるでしょう。不動産売却において、より丁寧で実用的なアドバイスを求める方には、オカムラメイトをおすすめします。
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まとめ
本記事では、専属専任媒介契約の仕組みや特徴、メリット・デメリット、他の媒介契約との違い、契約時の注意点、さらには信頼できる不動産会社の選び方について解説しました。
専属専任媒介契約は、売却を迅速かつ安心して進めたい方にとって有効な選択肢ですが、その反面、契約内容や会社選びを慎重に行う必要があります。自分に合った媒介契約を選ぶことで、スムーズで納得のいく不動産売却を実現しましょう。